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科学
宇宙から見たオーロラ展2015 樹氷とコラボ 冬空彩る
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12月中旬、樹氷とオーロラを撮影するチャンスがあった。タイミングが合わないとこのコラボレーションは非常に難しく、空きの湖面に映るオーロラよりはるかに難度が高い=2010年12月、カナダ・イエローナイフのイングラハムトレイル沿い(田中雅美さん撮影) 「生きているうちに一度は見たい」と思いながらも、行ったから必ず見ることができるというものではないオーロラ。だからこそ人々を魅了する。ましてや宇宙から見るなんて想像もつかない。
東京都新宿区のコニカミノルタプラザで開催中の写真展「宇宙から見たオーロラ展2015」では、見たこともない宇宙からのオーロラの貴重な写真を見ることができる。今回が8回目となる宇宙オーロラ展は、国際宇宙ステーション(ISS)の滞在クルーが撮影したものを米航空宇宙局(NASA)がデータベース化。日本の宇宙開発機構(JAXA)に提供されたものをコニカミノルタが企画写真展として公開している。9点の写真のほか、これまで米のスペースシャトルやロシアのソユーズに搭乗して4度にわたる宇宙飛行ミッションを行ったJAXAの宇宙飛行士、若田光一さん(51)が撮影した写真6点も展示されている。
地球上では神秘的なカーテン状に見えることの多いオーロラだが、遠い宇宙から見ると必ずしもそうは見えない。
また、ISSは高度400キロくらいの上空を飛行しているため、地表から80~500キロの地点に出現するオーロラに突っ込んでいくような位置から撮影できることもあるという。
写真展では宇宙から見たオーロラ写真に加え、自然写真家の田中雅美さん(53)がカナダ・イエローナイフで撮影した幻想的なオーロラ写真12点も展示。
また、超高感度4Kシステムを使用し、高精細でクリアな動画映像でアラスカの空に輝くオーロラや流星をハイビジョンで生中継する。そのほか、空一面を見渡すことができる4K全天周カメラなどで撮影した厳選オーロラ映像も上映する。
≪「光のカーテン」多彩な表情≫
宇宙からみたオーロラに負けるとも劣らない幻想的なオーロラを切り取って見せてくれるのは自然写真家の田中雅美さん。田中さんは、オーロラを10年以上撮り続け、世界でも例を見ないオーロラのパノラマ撮影に成功。今回は360度全方位撮影と呼ばれる「VR-PANORAMA技術」を駆使した幻想的でこの世のものとも思えない驚異のオーロラ映像を提供する。
オーロラは「太陽風」と呼ばれる太陽から放出される電気を帯びた粒子(プラズマ)が地球の大気圏に突入して引き起こす「光のショー」だ。地球までたどり着いたプラズマは磁場に運ばれ極地に集められるため、極地でしかオーロラを見ることができない。アラスカやカナダ、北欧または南極など寒い地域がほとんどで、オーロラを見ることのできる地域がたまたま寒いだけのことだという。また、オーロラがカーテン状に見えるのは地球の磁場の向きに依存して発生するためだ。
1950年代に人工衛星が登場してからは、オーロラのカーテンの上側に回り込んでオーロラの全体像を撮影することができるようになった。太陽風が地球の大気にどのような影響を与えているかなどさまざまなことが分かったという。(EX編集部/撮影:自然写真家 田中雅美、NASA、JAXA/SANKEI EXPRESS)
■「宇宙から見たオーロラ展2015」 2月8日(日)まで、東京都新宿区新宿3の26の11高野新宿ビル4F、コニカミノルタプラザで。午前10時30分~午後7時(期間中無休)。入場無料。