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【松田美智子の丸ごと食べちゃう】1玉づかいで芯まで余さず キャベツ

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【松田美智子の丸ごと食べちゃう】1玉づかいで芯まで余さず キャベツ

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見た目も華やかな丸ごとロールキャベツ(野村成次撮影)  ≪たねをギュウギュウに詰める≫

 こんにちは! 今日から新しく連載を始めさせていただきます、料理研究家の松田美智子です。

 長年家庭料理に携わってきた私ですが、ここ数年、意識しているキーワードは「しまつ料理」。一つの素材を、最初から最後まで食べきることが、ワンランク上の食のありかたなのではないかと考えるようになってきました。

 連載では、毎日の楽しい食卓の参考になるようなアイデアをご紹介できればと思っています。レシピというと、「分量を厳密に守って作らなきゃいけないかしら?」「材料が全部そろってないから作れない」と堅苦しく考えがち。でも、あくまでレシピは手引ですから、気楽に、気楽に。調味料も自分好みに、材料だって冷蔵庫にあるものでいいんです。もちろん、料理は科学ですので、調理の順番や味の組み立て方については、おいしくなるようなコツを考えてあります。季節ごとの旬の素材を、丸ごとおいしくいただいちゃいましょう!

 真冬育ちで甘く軟らか

 初回に登場する素材は「キャベツ」。大きくてお値段も手ごろと、まさに庶民の味方です。栄養価的にも、胃を保護するキャベジンやビタミンUが含まれ、冬に余計なものをため込んでしまった体を浄化してくれそうです。

 今回は、三浦半島の早春キャベツをチョイス。三浦半島産のキャベツは、11月下旬から3月上旬までの「早春キャベツ」と、3月上旬から5月上旬にかけてつくられる「春キャベツ」に分けられるのです。「早春」は真冬に育ったキャベツなのに軟らかくて甘いのが特徴です。

 ちなみにキャベツの選び方ですが、春キャベツは芯の切り口が小さく、葉の巻きがふんわりとしたものがおすすめです。

 そんなキャベツを、まずはどーんと丸ごと1玉、ロールキャベツに。見栄えもいいですし、作り方もとってもらくちん。余ったら、鍋の中でぐちゃぐちゃに細かくしてパスタソースにしたり、ご飯にかけても。今回はたねにタマネギ、ニンジン、ピーマンを入れましたが、冷蔵庫にあるもので大丈夫。

 アイデア次第で味に変化

 キャベツの外側の部分の葉は、コールスローと即席漬けに。パリポリ食感が楽しいコールスローは、白ワインビネガーや和がらしが大人の味を演出してくれます。サワークリームを使っていますが、なければ牛乳やヨーグルトでもOKです。

 即席漬けは手でちぎるのがポイント。味が良く染みます。最も原始的な調理器具は手ですからね! 夕飯の支度の前に用意しておけば、さっぱりおいしい即席漬けが出来上がっています。

 ちょっとしたアイデアとしては、いつものキャベツの千切りに、パセリを加えてみて。ひと味違う華やかな千切りに。塩とオリーブオイルをかければとっても簡単なサラダになります。

 この時期ならではの軟らかくて甘~いキャベツ。いろんな方法で堪能してくださいね。(料理研究家 松田美智子/撮影:野村成次/SANKEI EXPRESS

 ■まつだ・みちこ 1955年、東京都生まれ。女子美術大学卒業。ホルトハウス房子氏に師事し、各国の家庭料理を学ぶ。93年から「松田美智子料理教室」を主宰。料理本、雑誌、テレビ、CM、講演、パーティープロデュースなどで活躍。

 ≪丸ごとロールキャベツ≫

 【材料】(4~6人分)

早春キャベツ      1個

[A]

 好みの野菜      1カップ(みじん切り)

 鶏挽肉        100グラム

 豚挽肉        300グラム

 米          大さじ2(さっと洗う)

 卵          1個

 塩          小さじ1/2

 胡椒         少々

ベイリーフ       1枚

チキンスープもしくは水 適量

白ワイン        1/4カップ

 【作り方】

〔1〕早春キャベツの芯をくりぬき、直径8センチ大の穴を開ける。穴から出したキャベツは、1センチ大のざく切りにする。

〔2〕Aの材料と、くりぬいた部分のざく切りキャベツをよくまぜ、キャベツに開けた穴に薄力粉(分量外)を茶こしを通して薄くふり、たねを少量ずつキャベツに擦り込むような要領でキャベツより1センチぐらい出るぐらいに詰める。

〔3〕たねが煮ているときに出てしまわないようにタコ糸などで十字に結ぶ。形を調え、鍋に入れる。

〔4〕ベイリーフを加え、キャベツひたひたにチキンスープか水を注ぐ。さらに白ワインを加え、蓋をして弱火でコトコト1時間ぐらい煮込む。鍋によっては水分が蒸発して焦げやすくなってしまうので、いつもキャベツにヒタヒタぐらいの水分があるように保つ。

〔5〕中まで火が通ったら、ケーキのように切り分け、好みでマスタードなどを添えていただく。

 ≪彩り千切り≫

キャベツの葉2枚ほどにパセリの葉を巻き込んで、潰しながら切れば彩りあざやかな千切りに。ハンバーグなどの付け合わせに。

 ≪コールスロー≫

 【作り方】

粗みじんにしたキャベツ5枚、セロリ1/2本、ニンジン3センチに軽く塩をして置く。しっかり水気を絞ったら、マヨネーズ1/2カップ、サワークリーム1/4カップ、和がらし小さじ1/2(マスタードでも可)、白ワインビネガー大さじ1、三温糖大さじ1/2、塩小さじ1/2、白胡椒を合わせたものとあえ、冷蔵庫で30分休ませる。

 ≪即席漬け≫

 【作り方】

キャベツ3枚分の葉をちぎり、芯は繊維に沿って5センチの長さの薄切りにする。塩小さじ1弱、昆布3センチ角1枚、種を抜いた赤唐辛子1本と密封袋などに合わせ15分置く。水が上がったところに米酢大さじ1を加え味を調える。できれば1時間ぐらい置くと味がなじむ。

 ≪南部どりの、ガラスープ≫

 便利なチキンスープ。岩手県・南部どりのうまみを高温で炊き出したスープで、食塩も無添加、常温保存可能なところがうれしいです。都内の高級スーパーで取り扱い。260グラム、200円前後。<問い合わせ>アマタケ (フリーダイヤル)0120・011・295

 ≪パウダリングボトル≫

 松田美智子さん監修の「自在道具」シリーズのボトルはこし網と保存容器が一体で、小麦粉や粉糖など、粉状のものを細かく均等にふることができる便利グッズです。<問い合わせ>ラ・クッチーナ・フェリーチェ 恵比寿三越店 (電)03・3443・5678

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