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【松田美智子の丸ごと食べちゃう】水から戻せば調味料も少なめに ひじき
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具材たっぷりのまぜごはん(宮崎瑞穂撮影) ≪コリッとした食感 小気味よい≫
日々のお総菜を支える「ひじき」。日本では縄文時代から食べられてきたと言われる海藻です。私たちが普段お目にかかるのは乾物に加工されたものですが、生のひじきが採れるのは3~4月ごろです。そのままでは渋くて食べられないため乾物にしますので年中ストックしておけますが、“旬”を知っておくのも食文化を未来へとつないでいくためにも、有意義ではないかと思っています。
牛乳の約10倍以上とされるカルシウムや、ゴボウの約7倍の食物繊維、さらには鉄分もたっぷり含まれるひじき。でも、海藻独特の匂いが苦手で敬遠してしまっている方も多いのでは。匂いを取り除くには、下ごしらえが肝心です。まず、ひじきを戻すときは必ず水から。乾物を戻すときはぬるま湯にしてしまいがちですが、香りを大事にしたいものはお湯、臭みを取りたいものは水から戻すと覚えておくといいと思います。指で触って8分目ぐらいまで戻ったら、ざるにあけて流水にさらすこと。これで海藻独特のヨード臭さを取り除くことができます。匂いが残っていると、臭みを消そうとついつい調味料を入れすぎてしまいますが、これなら必要最小限の調味料ですみます。
一口に「ひじき」といいますが、葉の部分は「芽ひじき」、茎の部分は「長ひじき」と呼ばれています。いずれも、色が均等で形がそろっているものを選びましょう。今回は、それぞれの特徴をいかしたメニューにしました。
まず芽ひじきですが、コリッとした食感が小気味よいもの。短く混ぜやすいので、まぜご飯と酢の物にしてみました。まぜご飯は、必ずあつあつのご飯を使ってください。彩りのニンジン、キヌサヤは香りをいかすためにほとんど火を入れません。ひじき、ニンジン、キヌサヤの春の香りと食感が楽しめます。
酢の物は今回の私のイチオシレシピ! 油揚げとひじきをから煎りするのがポイントです。こうすると、液体をよく吸いますので、少ない調味料でもきっちり味が決まります。甘みも煮きりみりんを使って本格的な味わいに。じゅわっと酸味と甘みが染みて、箸休めにぴったりです。
長ひじきはむっちりした歯ごたえ。長くて他の具材と絡みやすいので、まずはマリネに。ひじきというと和風のメニューに偏りがちですが、こういった洋風のアレンジもなかなかです。サラダ感覚でたくさん食べられますよ。今回はセロリを組み合わせましたが、キュウリが入ってもいいと思います。隠し味はおしょうゆ。味を引き締めてくれます。白ワインにもぴったりのちょっとしゃれた味わいです。
長ひじきのもう一品、きんぴらは味のアクセントに梅干しを加えてみました。梅のさわやかな酸味が食欲を刺激してくれます。しゃきっとしたレンコンとむっちりした長ひじきの食感の対比もおもしろいです。
栄養満点で常備しておくのにも最適のひじき。ぜひ、手仕事でていねいに仕上げたお気に入りの品を見つけてください。(文:料理研究家 松田美智子/撮影:宮崎瑞穂/SANKEI EXPRESS)
【材料】(3~4人分)
ショウガ千切り 大さじ2
ごま油 大さじ1
芽ひじき 15グラム
牛切り落とし 100グラム(2センチ幅に切る)
三温糖 大さじ1/2
酒 1/4カップ
しょうゆ 大さじ1と1/2
ニンジン 3センチ(繊維に沿って千切り)
絹さや 5枚(斜め千切り)
粉山椒 適宜
硬めの炊きたてご飯 2合分
〔1〕ひじきを戻す。たっぷりの水に漬け、5~6分おく。必ず水から戻すこと。硬めに戻したひじきを平ざるなどに広げ、流水で臭みがなくなるまで細かいかすと共に洗い流す。海藻臭さや戻しすぎが美味しくいただけない理由。
〔2〕フライパンにショウガとごま油を合わせ中火で炒める。香りが立ったら牛肉、水気を切った芽ひじきを加え、さらに炒める。酒、しょうゆを加え汁気が飛ぶまで炒め、最後にニンジンを加える。
〔3〕〔2〕を炊きたてのご飯に加えてまぜ、絹さやも加える。好みで粉山椒をかけていただく。
【作り方】
〔1〕乾燥芽ひじき15グラムを戻し、水気を切る。ショウガ千切り大さじ1、煮切りみりん大さじ1、米酢大さじ2を合わせておく(A)。
〔2〕油揚げをフライパンでカラカラに煎り、紙に広げる。同じフライパンで芽ひじきを煎る。最後に火を切り薄口しょうゆを回しかけ、混ぜる。
〔3〕縦半分に切って種を除いたキュウリ1本を半月状に切り、塩小さじ1/4をして10分置き、水気を絞る。
〔4〕油揚げ、ひじきをAと合わせ、いただく前にキュウリと合わせる。
【作り方】
〔1〕乾燥長ひじき20グラムを戻し水気を切る。みじん切りしたにんにく小さじ1、オリーブオイル大さじ4を中火で炒め、ひじきを加え炒める。フレンチマスタード大さじ1、白ワインビネガー大さじ2を加え炒め、最後にしょうゆ大さじ1と胡椒少々で味を調える。
〔2〕粗熱が飛んだら繊維を断ち、薄切りにしたたまねぎ1/2個、筋を除いて4センチ長さに短冊切りしたセロリ1本、へたを取り4つ切りにしたチェリートマト10個を合わせ、仕上げにパセリを混ぜる。
乾燥長ひじき20グラムを水から戻し、よく洗う。深めのフライパンでごま油大さじ1、果肉を叩いた梅干し大1個を中火で炒め、梅干しが白っぽくなったら、レンコンを加え炒める。ひじきも加え炒め、酒大さじ4を加え煎り煮にし、しょうゆ大さじ1を加え、汁気がなくなるまで炒める。梅干しの種を除き、盛り付ける。
おすすめは岐阜県の白扇酒造の「三年熟成本みりん」。品の良い甘みに仕上げてくれます。私はこれを半量まで煮詰めた煮切りみりんにして常備しています。1.8リットル税込み2625円。<問い合わせ>白扇酒造 (フリーダイヤル)0120・873・976
リアス式海岸で育った伊勢志摩産ひじきは、長く太くもっちりした歯ざわりが特徴。創業約200年の「北村物産」では蒸してから乾燥させる伝統的製法で加工しています。伊勢志摩産芽ひじき、長ひじき30グラム各495円。<問い合わせ>北村物産 (電)0596・37・2133