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ライブ感覚とこだわりの空間楽しむ 京都東急ホテル オールデイダイニング風花
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「旨みをラッピングした風花自慢のブイヤベース」もライブ感覚を活かし、耐熱ラップにくるんだ形でテーブルに出してから顧客の目の前でラップを開く…。魚の種類は食材の仕入れ状況で変わる=2015年6月8日、京都市下京区(志儀駒貴撮影)
「山水の美が彩る雅な佇まい」をコンセプトに3月1日、全館にわたる大規模リニューアルを実施した京都東急ホテル。地下1階にあるレストラン「オールデイダイニング風花(かざはな)」も、顧客にライブ感覚を楽しんでもらうためのオープンキッチンの導入や、中庭を眺めながら広々とした空間で食事が楽しめるような工夫を凝らし、新規顧客を開拓している。
ホテルの清水雅貴・マーケティングチーフ(43)によると、今回のリニューアルは「外国人客とホテルの宿泊者以外の若い世代の新規顧客の取り込みが狙い」といい、風花では、同じフロアにあったラウンジバーを移設させてワンフロアのレストランにリニューアルし、オープンキッチンを新設した。
広さ約414平方メートル(個室3室分を含む)の広々としたスペースに加え、天井も高いのでゆったりした雰囲気で食事が楽しめる。さらにダイニング78席と個室3室120席の計198席という規模は団体客の取り込みにも有利だ。
そんな風花は、洋食をベースに和テイストを取り入れたメニューが特徴で、担当シェフ、橋本秀信さん(42)は「京都の食材や味わいを取り入れ、特定ジャンルに特化しないメニューで外国人を含む幅広い層にアピールしたい」と話す。
そんな自慢のメニューをいただいた。まずは「グレープフルーツ風味のマリネサーモンと根菜のサラダ 軽いスモーク仕立て」(1900円)。「マリネしたサーモンを食べやすくサラダ仕立てにした」(橋本さん)もので、ライブ感覚を生かすため顧客の目の前で薫製の香りを付けて提供する。色鮮やかな盛りつけとスモーキーな香りが印象的だ。
また「旨みをラッピングした風花自慢のブイヤベース」(2700円)は、鱸(すずき)やホタテ貝、カニ爪などを使った和風のブイヤベースだが「風味や香りを大切にして顧客に提供したい」(橋本さん)との思いから、耐熱ラップにくるんだ形でテーブルに出され、こちらも顧客の目の前でラップを開くというこだわりぶり。ラップが開いた瞬間、上品で芳醇(ほうじゅん)な香りが食欲をそそる。
エビのプリプリ感を生かすため、エビと魚のすり身をパン粉付けしてフライした「エビフライサンドウィッチ」(2300円)も、プリプリのエビの濃厚なうまみや風味がパンのサクサク感と相まって、何個でも食べられる感じ。
そして「ローストビーフカット」(約300グラムのKAZAHANAカット、5600円)は、米国産の最高級のプライムリブを使用し火入れを均等に行うなど手間ひまかけて調理したボリューム感たっぷりの極上のローストビーフが堪能できるが、こちらも顧客を楽しませるライブ的演出として、ワゴンサービスで顧客の目の前で巨大な肉塊を切り分けて提供する。
無論、デザートにも凝っている。「KOIMATCHAチーズケーキ」(2500円)は、あの老舗、祇園辻利の抹茶を使っており「チーズと抹茶の分量に苦労した」(シェフパティシエ)甲斐あって、甘く濃厚なチーズの味わいと抹茶の渋みが絶妙にマッチしている。
「“食事に行こう”という話になった時、必ず店名が頭に浮かぶようなお店になってほしい」。清水さんと橋本さんは将来の夢をこう語った。(文:岡田敏一/撮影:志儀駒貴/SANKEI EXPRESS)
※価格は税・サービス料込み。