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【松田美智子の丸ごと食べちゃう】焼く・揚げる… 調理法で食感さまざま 鮎

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【松田美智子の丸ごと食べちゃう】焼く・揚げる… 調理法で食感さまざま 鮎

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清涼感のある姿が美しい鮎(松下二郎さん撮影)  夏の風物詩、鮎。子供のころ、祖父が毎年狩野川に鮎釣りに出かける時に、一緒に連れて行ってもらったものです。旅館の若主人が作る、一夜干し、うるか、鮎ご飯、甘露煮…。興味津々でした。私には欠かせない季節の仕事の一つです。

 養殖は一夜干し向き

 天然鮎は高価で家庭料理にはちょっと…と思われる方もいらっしゃるのでは。そこで今回は、最近スーパーでも手に入る養殖の鮎を使って、一夜干しにしてみましょう。鮎といえば塩焼きが真っ先に浮かびますが、なかなか家で塩焼きを上手にするのは難しいものです。一夜干しなら簡単で、日持ちも良く、さまざまな料理に展開できます。養殖の鮎は脂が乗って、一夜干しに向いています。お値段が親しみやすいのもうれしいです。この他にも、鮎雑炊も私の定番です。

 鮎は腹開きにしますが、この作業はお魚屋さんでお願いするのもいいでしょう。頭までしっかりと開いてもらうと、ばりばり丸ごと食べられます。

 血は身を傷つけないように、爪ようじの柄やペーパータオルで丁寧に取り除いて。洗うと、脂が流れてしまうのでお気をつけください。この一手間でくさみも取れますし、何より見た目が美しくなります。鮎はきれいなお魚ですから、一夜干しも清涼感を大切に仕上げたいものですね。

 塩は直接振る(振り塩)のではなく、満遍なく浸透させるため、塩水につけて(立て塩)。このときペーパータオルをかぶせた上から塩水をかけると、塩も水も減らすことができます。

 「たで」でアクセント

 今回ご紹介した一夜干しの作り方はアジやイワシ、カマスなどにも応用できます。脂が多いお魚には、下味を強めにしてください。

 今回のもう一つの主役が「たで酢」。ことわざ「たで食う虫も好きずき」の、あのたでです。脂の乗った鮎を見事に引き立ててくれるたで酢。ピリッとした辛みと鮮烈な香りとグリーンは、作りたてならではです。

 さて、一夜干しですが、そのまま焼いていただいてもおいしいですし、今回はさらに鮎ご飯、揚げ物、パスタソースにアレンジしました。炊き込みのご飯はしっとり、揚げ物は外はかりっと中はほっくり、パスタソースはほろほろと調理法によってさまざまな食感が楽しめます。たで酢を添えると、また違った味わいになります。

 ちなみに、このパスタソースは新潟県にある旅館「里山十帖」さんで、へぎそばと一緒にいただいたものがヒント。なんとか家でも食べたいと、自己流にアレンジしました。いろんなところで食べた忘れられない味を取り入れていくのも、家庭料理の味わいですよね。(文:料理研究家 松田美智子/撮影:フォトグラファー 松下二郎/SANKEI EXPRESS

 ■まつだ・みちこ 1955年、東京都生まれ。女子美術大学卒業。ホルトハウス房子氏に師事し、各国の家庭料理を学ぶ。93年から「松田美智子料理教室」を主宰。料理本、雑誌、テレビ、CM、講演、パーティープロデュースなどで活躍。

 ≪鮎の一夜干し≫

 【作り方】

鮎    5尾

[A]

 水   2カップ(立て塩) 

 塩   大さじ2

 酒   大さじ2

 【作り方】

〔1〕鮎のぬめりをペーパータオルで拭く。腹開きにし、内臓を取り除いて、丁寧に血などを拭き取る。

〔2〕バットに並べ厚手のペーパータオルをのせ、上から合わせたA(立て塩)をかける。約1時間、涼しい所に置き、塩をなじませる。

〔3〕水気を押さえ、脱水シートに挟み、ラップでしっかり包んで冷蔵庫で約一晩脱水する(脱水シートがない場合はペーパータオルに包む。その場合は〔4〕の干す時間を長めに)。

〔4〕皮を下にして平ざるなどに広げ、空気が通るようにして表面が乾いたら上下を返し約半日干す。市販の干物ケースがあればなおよい。その後は冷蔵庫で約1週間保存可能。冷凍も可能。

 ≪鮎ご飯≫

 【作り方】

〔1〕米2カップをといだ後10分浸水し、15分水切りをして土鍋に入れる。だし2カップ弱、酒1/4カップ、塩小さじ2、薄口しょうゆ大さじ1と1/2を加えて強火にかける。

〔2〕噴いてきたら、火を弱め一度鍋中を大きく上下に混ぜる。焼いた一夜干し2枚を4つに切って上に並べ、蓋をして8~10分で炊き上げる。

〔3〕火を切り8~10分蒸らし、鮎を崩すように合わせる。器に盛り、たでの葉の細切りをあしらう。あしらいはたで酢、ねぎ酢、青ネギの小口切りも合う。

 ≪鮎のラグーソースパスタ≫

 【作り方】(2人分)

〔1〕焼いてざく切りにした一夜干し2枚とサワークリーム大さじ2をプロセッサーで合わせる。

〔2〕塩大さじ2、水1.5リットルを煮立ててパスタ140グラムをゆで始める。

〔3〕にんにくのみじん切り大さじ1/2、オリーブオイル大さじ3をフライパンに合わせ、中火で炒める。さらに〔1〕と白ワイン1/4カップを加え中火で炒め、ナンプラー大さじ1、白胡椒適宜を加え味を調える。

〔4〕アルデンテのパスタを〔3〕に入れ、味をみてパスタのゆで汁を加える。器に盛り、パルメジャーノチーズ、白胡椒適宜を好みであしらう。たで酢も合う。

 ≪たで酢≫

 【作り方】

〔1〕たで2束の軸から葉を外しさっと洗い水気を押さえ、すり鉢でつぶしながらあたる。

〔2〕全体が崩れたら、炊きあがりの軟らかいご飯かそれに近いおかゆ約大さじ1を加え、よくあたりとろみに変える。

〔3〕塩小さじ1、米酢大さじ3~4を加え味を調える。

〔4〕ぴったりとラップをして空気を切り、風味と色変わりを防ぎ冷蔵庫に保存。できたてにこしたことはないが、1日ぐらい保存できる。

 ≪一夜干しの揚げ物≫

 【作り方】

 一夜干しを中温低めの油でさっと揚げ、一度紙に取り、空気に触れさせ、高めの温度の油で2度揚げして頭からいただく。好みで柑橘(かんきつ)を絞ると良い。もちろんたで酢も合う。

 ≪ピチットで簡単!一夜干しシート≫

 くさみと水分を取り除き、うまみを凝縮させてくれるシート。こちらは手に入りやすいサイズ。右は特大サイズ。各400円(税別)。東急ハンズ、大手釣り具店で販売。【問】オカモトお客様相談室 (電)03・3817・4226

 ≪たで≫

 最近はデパ地下でたでを売っています。細ネギの青い部分をざく切りにして同じように作るネギソースもおいしい。生姜のみじん切りを少し加えることで辛みも立ちます。たで酢もねぎ酢もアジやカマスの焼き魚、ステーキなどに合います。

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