世界販売が1000万台を超え、王者・トヨタ自動車を射程に入れた独フォルクスワーゲン(VW)グループ。その牽引(けんいん)役が高級車ブランドの「アウディ」だ。過去5年で販売台数はほぼ倍増し、高級車首位のBMW(「ミニ」除く)にも7万台差と迫った。10%前後の高利益率を維持するなど、収益面の貢献も大きい。新興経済国展開やモデルラインアップの拡大など、さらなる成長にアクセルを踏んでいる。
「今年も過去最高を目指す。販売台数200万台は(目標としていた)2020年より前に達成したい」
3月10日、シュタートラー最高経営責任者(CEO)はドイツ南部の都市インゴルシュタットにあるアウディ本社に世界各国から集まった記者たちを前に自信を見せた。
販売は過去最高
14年の世界販売は、前年比で10.5%増の174万台で過去最高を記録。リーマン・ショック後の09年(95万台)から右肩上がりを続け、14年に181万台だったBMWを追い詰めた。