パナソニックが昨年末、業務用冷蔵ショーケースを手掛ける米ハスマン社を約1850億円で買収すると発表した。創業100年にあたる平成30年度の目標として掲げる連結売上高10兆円に向けた戦略投資の一環で、家電など消費者向けの事業と比べ安定した収益が見込めるBtoB(企業間取引)事業を拡大するのが狙いだ。旧三洋電機から引き継いだ事業と合わせると、業務用冷蔵ショーケース分野で世界シェア1位に躍り出る。BtoB分野での大規模な買収劇はグローバル化と「脱家電」を印象付けている。(橋本亮)
成長への試金石に
「ハスマンの買収は売上高10兆円に向けた成長を実現するための試金石で、当社のグローバル経営を加速させる引き金にしたい」
昨年12月21日、大阪府門真市の本社で記者会見した津賀一宏社長はハスマン買収の意義について、こう説明した。
パナソニックは売上高10兆円の目標達成に向け、27年度からの4年間で計1兆円の戦略投資を計画している。ハスマン買収にそのうち5分の1近くの資金をつぎ込んだこともからも、期待の大きさがうかがえる。