国内時計大手3社の2015年4~12月期連結決算が12日、出そろった。中国を中心とした訪日観光客の需要の伸びは鈍化しているものの、3社とも主力の時計事業が好調で、本業のもうけを示す営業利益が4~12月期としては過去最高を更新。カシオ計算機は2年連続で最終利益が過去最高となった。
その一方で、中国経済の減速が時計事業以外に影を落とし、シチズンホールディングス(HD)は大型プリンターなどの減収が原因で、16年3月期の通期業績予想の売上高を従来予想から50億円減の3550億円(前年比8.1%増)に下方修正。
セイコーホールディングス(HD)も、半導体や外販している腕時計の駆動部品が収益悪化し、売上高を150億円減の3050億円(3.9%増)、営業利益は20億円減の140億円(20.0%増)、経常利益は30億円減の130億円(5.1%増)に引き下げた。最終利益は、繰り延べ税金資産の計上などを踏まえ据え置いた。
シチズンHDは、個人消費の回復や、訪日観光客の需要に支えられ、腕時計の「アテッサ」や「カンパノラ」が売り上げを拡大。「爆買い」に代表される訪日観光客の需要は落ち着いているものの、「国内需要の2割程度を依然占めている」(椛田茂取締役)という。