出光創業家と昭シェル、亀裂は決定的 40万株取得、合併阻止に向け対抗策 (1/3ページ)

2016.8.4 06:32

記者会見する出光興産創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士=3日、東京都港区
記者会見する出光興産創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士=3日、東京都港区【拡大】

 出光興産と昭和シェル石油の合併計画に反対している出光の創業家側は3日記者会見し、創業者の出光佐三氏の長男、昭介名誉会長が昭シェルの株式40万株を取得したことを明らかにした。経営側が合併に先立って、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルから昭シェル株を33.3%取得する計画を阻止するのが狙い。創業家側は合併を撤回しない限り経営側との協議には応じない姿勢も示し、両者の間の亀裂は決定的となった。

 出光は公正取引委員会の審査を待ち、9月中に昭シェル株を取得する予定で、市場外で直接、ロイヤル・ダッチ・シェルの保有株を買い取る方針。

 だが、大株主の創業家は出光の「特別関係者」に当たると主張。今回、昭介氏が昭シェルの株式取得に踏み切ったことで、出光がロイヤル・ダッチ・シェルの保有株を買った場合、出光とその特別関係者を合わせた出光側の持ち株比率が33.345%となり3分の1を超える。これにより株式公開買い付け(TOB)の義務が生じる「3分の1ルール」に抵触するため、出光は計画通りに買収を進められなくなると説明した。

 TOBで昭シェルの全株を取得する場合、買い付け総額は当初予定の約1700億円から約3倍の5087億円に膨らむという。

創業家側は7月22日以降、3日までの間に市場で昭シェル株を…

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