
ホンダのシリコンバレー・ラボがベンチャー企業と共同開発するスマートフォンをダッシュボードに接続し、カーナビとして使う試作車=15日、米カリフォルニア州マウンテンビュー【拡大】
■「成果は共有」成長狙う
クルマに乗り込み、スマートフォンをUSB端末でカーナビに接続し、「空港まで案内して」と話しかける。スマホが声を認識し、ナビ画面に道順を示して音声案内を始める-。
米IT大手のアップルが開発したスマホと車載システムを連動させるソフトウエア「カープレイ」の機能の一つだ。スマホのアプリをナビ画面に映し、音声や画面へのタッチ、車内のボタンなどで操作できる。
この技術の開発にはホンダが米カリフォルニア州に置く研究施設「シリコンバレー・ラボ」が深く関わっている。2011年に設立したラボは、外部企業などとの共同研究・開発を技術革新につなげる「オープンイノベーション」の中核拠点。世界的なIT企業や大学が集中する地の利を生かし、「画期的なアイデアを持つ人との協業に特化している」(責任者の杉本直樹)。
アップルとは12年に運転手向けに音声認識ソフト「Siri(シリ)」を画面を見ずに、音声で回答が分かるよう改良。カープレイの開発でも協業した。通常の共同開発は参画企業が成果を独占するが、カープレイは世界シェアの約7割を占める車メーカーが採用する。
杉本は「大きく成長するために成果は共有する。良い技術は先に(顧客に)届けることに価値がある」と話す。