【ホンダ 米国戦略の岐路】(下)高級車競争に出遅れたアキュラ、SUV強化で復活なるか (1/2ページ)

2016.12.1 06:27

報道陣を前に話すホンダ米国法人のアキュラ担当副社長のジョン・イケダ氏=16日、米カリフォルニア州
報道陣を前に話すホンダ米国法人のアキュラ担当副社長のジョン・イケダ氏=16日、米カリフォルニア州【拡大】

  • アキュラの左からスポーティセダン「TLX」、SUV「RDX」、3列シートSUV「MDX」=13日、米カリフォルニア州

 11月16日、米ロサンゼルスで開かれた自動車展示会「ロサンゼルス自動車ショー」。ホンダの海外向け高級車ブランド「アキュラ」の発表会で、米国法人の副社長、ジョン・イケダは報道陣にこう宣言した。

 「アキュラは30周年を迎えた。若々しい精神と野心に再び火をつけ、力強く挑戦的なブランドに刷新する」

 ホンダは1986年に米国の販売網強化や高級車「レジェンド」の投入を契機にアキュラを創設。いずれも89年に立ち上がった高級車ブランドであるトヨタ自動車の「レクサス」や、日産自動車の「インフィニティ」の先駆けになった。

 レジェンドに加え、高級スポーツ車「NSX」や小型車「インテグラ」を展開し、2005年の米国販売は20万9610台と過去最高を記録。高級車の主戦場である米国市場で大きな存在感を発揮した。

 調査会社マークラインズによると、15年の米国販売は前年比5.6%増の17万7165台と伸びた。だが、ライバルのレクサス(34万4601台)には2倍の差を付けられ、背後にはインフィニティも迫る。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹は「(開発費用など)経営資源の不足が原因だ。1990年代に曲がり角を迎えたホンダブランドの再生を優先し、2000年代の高級車競争に出遅れた」と指摘する。

アキュラのラインアップは今年復活したNSXを加えてもたった6車種

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