グラウンドや体育館で体を動かすのではなく、コンピューターに向かって頭脳を働かせ、指先を駆使してゲームの腕前を競い合うスポーツがeスポーツ。海外では賞金が出る大会が増えて盛り上がりを見せ、日本でも推進する団体が生まれてリーグ戦が始まった。プロサッカークラブが結成したチームも参加して、最先端のスポーツといった位置づけを確保しつつある。
東京ヴェルディ1969フットボールクラブ。サッカーファンにはJリーグで戦う東京ヴェルディや、女子サッカーのなでしこリーグで強豪の日テレ・ベレーザを運営する名門サッカークラブとして知られている。この東京ヴェルディが2016年11月26日に開幕した全国規模のリーグ戦、日本eスポーツリーグにチームを結成して参戦した。
「ヴェルディにとってeスポーツ参入は大きなチャレンジと捉えている」。リーグ戦開幕を控えた11月22日に行われたチームの体制発表会で、東京ヴェルディ経営企画部の常田幸良部長は、eスポーツへの参入がクラブ運営にとって意味があることを強調した。「戦う以上は強いチームを作らなくてはいけない。東京ヴェルディにとって相応しい選手になってもらう」とも話し、Jリーグで最強を誇った時代を思わせる活躍をeスポーツの選手たちに期待した。
クラブの本気度はユニフォームやエンブレムにも現れた。東京ヴェルディは、男女のサッカーチームのほか、トライアスロンとバレーボールのチームも擁している。ここに加わるeスポーツチームは、クラブで使用しているものと同じエンブレムを使い、ユニフォームも2016年のシーズンを戦ったサッカーのチームと同じデザインのものを着用する。