新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で25日、理化学研究所の調査委員長を辞任した石井俊輔上席研究員(62)。トップクラスの研究者が疑義で身を引く前代未聞の事態に衝撃が広がった。理研の信用はどこまで失墜するのか。日本を代表する研究機関は苦境に追い込まれた。
「学術誌も不正ではないと認めた」と説明
石井氏が責任著者となった平成20年の論文に指摘された疑義は、乳がん抑制に関わるタンパク質の機能を示すデータの中で、遺伝子解析の結果を示す電気泳動の画像が不適切に加工されているというものだ。
石井氏が24日に公表した文書によると、1枚の画像の中でデータの並び順を入れ替えていたとみられる。
この画像は、不正と認定された小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)らのSTAP論文の画像と同じ種類。石井氏は取材に「(小保方氏のように)部分的に伸ばすなどの加工もしておらず、学術誌も不正ではないことを認めている」と説明した。