新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、海外で使われていない資源やエネルギーを使って水素を製造し、日本に輸送してくる「水素サプライチェーン」の構築に乗り出す。民間企業による実証事業などを助成し、2030年ごろに商業ベースの大規模システム確立を目指す。
この計画に向けてNEDOは9日、助成対象として採択した4事業を発表した。
一つは、川崎重工業、岩谷産業、電源開発による実証事業。豪州の褐炭で水素を製造し、貯蔵、輸送、利用まで一体で運営するサプライチェーンの構築を目指す。20年度の実証運転を念頭に、設計や製作、試運転を進める。
千代田化学工業は、未利用資源から製造した水素を化学的方法を用いて消費地まで輸送して供給するサプライチェーンを構築する。20年度の実証運転を目指す。
大林組と川崎重工業は、水素コージェネレーションシステムを活用したスマートコミュニティーの技術開発事業を担当。三菱日立パワーシステムズと三菱重工業は、水素・天然ガス混焼ガスタービンの発電設備を研究開発する。