既に酒税改正を見越した対応に乗り出すメーカーもある。サントリービールは9月にビール「モルツ」を全面刷新して「ザ・モルツ」として投入した。サントリーのビール類の販売比率は第3のビールが6割強で、残りがビール。酒税の改正を念頭に、ビールを強化しておく必要があったわけだ。
ただ、その前提が、政府・与党の議論の遅れで肩すかしとなれば、中長期的な商品や事業の戦略にも影響が及びかねない。業界各社は「早く答えを知りたい」(キリンホールディングスの磯崎功典社長)と、政府・与党が導く結論を待ちわびている。(万福博之、今井裕治)