海底通信ケーブルの世界市場【拡大】
実は、この案件に自信があったわけではない。米国はタイコの地元。海底ケーブル敷設ではコスト面からケーブル製造拠点からの輸送距離が短い地元企業、この場合はタイコが有利。現に、かつてGCIが発注したプロジェクトはタイコが受注していた。それを覆したのは総合力が評価されたためだ。
原田はその後、何回もアラスカに足を運び、2カ月後の7月には正式受注にこぎ着けた。
このプロジェクトが復活の端緒となった。2年後の05年にはインドネシアの島々約30カ所を結ぶ総延長1040キロの海底ケーブルを受注した。受注額はアラスカが約42億円、インドネシアは約60億円。数百億円にのぼるプロジェクトも珍しくないこの事業では小ぶりだが、原田は「需要が戻ってきたな」と確信した。
事態が好転し始めると、しばしばさらなる追い風が吹く。06年に海洋システム事業部に格上げとなり、事業部長に就任した原田は、08年に海底ケーブルメーカー「OCC(オーシャン・ケーブル・カンパニー、横浜市西区)の買収を決意した。NECはそれまでケーブルをOCCから調達していたが、それを本体に取り込めれば、ケーブル製造から中継器、交換機など欧米のライバルと同様のトータルの事業体制が整う。