列車の愛称や歴史に詳しい作家の小牟田哲彦氏は「日本一の山の名で風格もあり、『富士』は世界を代表するリニアの名にこそふさわしい」と話す。
「富士」は日本最古の列車愛称。昭和4年に「富士」の名が付けられ、最後尾に富士山をかたどったテールマークも装着された。
この列車は明治45年に走り始めた。新橋(東京)と下関(山口)を結ぶ1、2等車のみの豪華特急だ。下関では朝鮮半島の釜山に向かう連絡船と接続。南満州鉄道やシベリア鉄道を経て、東京からヨーロッパへと乗り継ぐことができた国際列車だった。
東海道新幹線が開業した昭和39年10月には、東海道・山陽、日豊線経由で東京と西鹿児島(現鹿児島中央)間約1570キロを結んだ日本最長列車の寝台特急に「富士」と命名された。青い寝台客車「ブルートレイン」の代表格だったが、平成21年に惜しまれつつ廃止された。
日本で最も古い列車愛称が、最新の超電導技術を導入した世界最速列車で復活する可能性はあるのか。