FCVの市販化の大きな壁は、ずば抜けて高い車体価格だ。FCVは“走る宝飾品”に等しい。水素と酸素を化学反応させ発電する際の部品に白金(プラチナ)が多く使われているためだ。
FCV1台につき、数十グラムの白金が必要といわれる。白金をできるだけ使わずコストを下げる代替技術は、FCV発展に欠かせない。
エネルギー問題に詳しい大和総研の町井克(かつ)至(ゆき)主任研究員は「日本は燃料電池の技術が進んでおり、(他国より)優位性がある」と指摘。日本と同じ安全基準を採用した国には輸出も可能で、将来性に期待を寄せる。