『子供たちに知らせなかった日本の「戦後」』皿木喜久著(産経新聞出版・1300円+税)【拡大】
■隠された「戦後」に向き合う
本書は、時代を追った戦後世相史ではない。今、日本が直面する重大な問題の根っこが、どこにあるのか。背景に何があったのか。それらを意識して、敗戦から再建の中で起きたことに着目している。
開戦記念日である昭和20年12月8日、主要紙の1~2ページをつぶして「太平洋戦史」の掲載が始まった。「聯合軍司令部提供」。連合国軍総司令部(GHQ)による歴史観を強制したものだった。著者は〈現代に残る日本人の自虐史観の始まりだった〉と書く。
東京裁判では「南京大虐殺」が突然提起され、日本人の首をかしげさせた。なぜ、米国中心の東京裁判が執拗(しつよう)に南京での「大虐殺」を証明しようとしたのか。著者によると〈東京大空襲や原爆投下への非難を免れるためとの説がある〉。先の大戦を「一貫した侵略戦争」というフィクションで塗り固めていった占領政策の実相をあぶり出す。