ロシアとの対立にまた新しい章が始まることだけがはっきりしている。国内が親欧州の西部と親ロシアの東部や南部に色分けされるウクライナは財政危機にひんしている。東西ドイツのような国家分裂やデフォルトを回避しながら、安定した民主的体制を根付かせるのは容易ではない。その鍵を握るのも欧米ではなくロシアだ。
温度差
欧米はウクライナの親ロシア地域へのロシアの介入も警戒している。ライス米大統領補佐官は「深刻な過ちになる」とロシアを強く牽制(けんせい)した。
ロシアはウクライナ南部クリミア半島に黒海艦隊の基地を置く。英誌エコノミストは、市民の要請といった名目でロシア軍がクリミア周辺に展開する可能性に触れ「ウクライナが一体化を保つ上で最も危ないのはロシアがつけ込むことだ」と指摘した。