【KEY BOOK】「北がなければ日本は三角」(谷川雁著/河出書房新社、1427円、在庫なし)
森崎和江や石牟礼道子が筑豊で闘っていたとき、その運動のリーダーをしていたのが谷川雁である。大正炭坑を足場に行動隊を結成していた。その後、谷川は60年安保闘争の思想的な柱の一人となり、『原点が存在する』『戦闘への招待』『工作者宣言』などを書いて、多くの学生や大衆をアジテートしたのだが、やがて沈黙、ずいぶんたって活動を再開したときは児童文学運動をしていた。その谷川が久々に書いたのが本書である。「日本列島の図から北をとると三角になってしまうね」と言った子供の言葉にヒントを得たエッセイ集だ。たいへん考えさせられるタイトルだ。そうなのである、日本は「みちのく」を失えば三角野郎なのである。そうさせては、いけない。