【KEY BOOK】「化粧する脳」(茂木健一郎著/集英社新書、734円)
茂木君はぼくの若い友人だが、だんだんおっちょこちょいになってきた。しかし最初の著書『脳とクオリア』(日経サイエンス社)には、われわれが形と色とテイストをもった物体に感じるクオリアの正体についての言及があって、いまなお考えさせる。『化粧する脳』は脳の本質を説いたのではなく、なぜ自己意識は「顔」の特徴に関心をもつのかという問題を扱った。女性にはおもしろいかな。
【KEY BOOK】「つながる脳」(藤井直敬著/NTT出版、2376円)
毎日出版文化賞の本。著者はいまや話題の理研の研究者で、専門はブレイン・マシン・インターフェース(BMI)。これは実験者がシステムの一部に組み込まれて脳を研究しようというもので、それまでの電気生理学的な外挿的な研究方法を一新した。いわば脳科学が仮想のソーシャルブレインを設定して、それを研究しようというものだ。従来の脳研究がどんな限界をもっていたかもわかる本。