自宅は大きく傾き、康太さんがいたとみられる1階部分は土砂に埋もれた。男手一つで康太さんを育てた父親もすでに死亡が確認された。
家の中からは、野球部の記念写真や泥だらけのグラブ、バットが運び出された。いても立ってもいられず同級生や部活の先輩がひっきりなしに現場に駆けつけていた。
高校1年のときに同じクラスで、康太さんの無事を祈っていた古賀亮佑さん(17)は「笑っている顔しか浮かんでこない。信じられない」とうなだれた。野球部のチームメートで、小中高の同級生の男性(17)は部活以外でもゲームをしたり、公園でキャッチボールをしたりして遊んだ。「ちょっとお調子者で友人が多く、皆から愛されていた。野球部でも代打の切り札として重宝されていたのに…」と肩を落とした。
≪不意突く異変、どう察知 音・臭いに危険兆候≫
局地集中型の豪雨がもたらした広島市の土砂災害は、死者・行方不明者が計80人を超え、突発する災害への備えの難しさをあらためて浮き彫りにした。気象警報や避難指示・勧告に頼ることが難しい場合、不意を突く危険から身を守るにはどうすればいいのか。兆候を寸前に察知し、危うく難を逃れた住民のとっさの判断から多くの教訓を読み取ることができる。