飼い犬が感知
「普段とは違う。とにかくおかしいと思った」
安佐南区の西田千鶴子さん(67)が少しだけ開けた窓から、草木や土の濃いにおいを嗅ぎ取ったのは、午前4時ごろだった。母親を連れて外に飛び出し、腰まである水をかき分けながら道路へ逃れた瞬間、振り返ると、轟音(ごうおん)とともに山が崩れ落ちていた。
「葉っぱが腐ったようなにおいがして2階に上がった」。近くに住む青山和子さん(72)も、かすかな兆候から異変に気づいて危うく土石流から逃れた一人だった。
飼い犬の様子から危険を感じ取った人も。池田敏則さん(65)は午前3時半すぎ、愛犬が窓の外をにらみ、前足を突き出して固まったまま警戒している様子に気を留めた。
「ただならぬ雰囲気を感じ、思わず自分も立ち上がって外を見た」。砂利や岩が自宅に迫って来たのは、その一瞬後だった。