安佐北区の可部小学校の体育館に避難している形部初枝さん(92)は、「高血圧で歩くとふらふらする」と訴えた。
災害のあった(8月)20日朝、警察官に背負われてここに来た。着替えもなく、一度も風呂に入っていない。降圧剤も服用できていなかったが、ようやく病院に行き2週間分の薬をもらった。「いつまでこの生活が続くか分からない。血圧が安定するか心配」と気をもむ。
安佐北、安佐南の両区に設けられた16カ所の避難所には、8月22日の時点で最大で約2400人が避難した。高齢者が多いため、各施設で保健師を配置し、健康相談に乗っている。ただ、将来不安を伴う被災生活は過度のストレスをもたらし、急激に体調が悪化するケースも多い。
一方、被災地には続々とボランティアが支援に駆けつけ、泥やがれきの除去に当たった。
「近くで困っている人がいるのに自宅でのうのうとしていられない」。土砂で埋まった安佐南区の民家の庭で、近くの会社員、今中正明さん(50)はスコップで土をかき出した。