岡山県和気町から訪れた自営業、今井健太郎さん(32)は「どこから手を付けるべきか、途方に暮れている人が多い」と話した。疲れがたまった様子の住民を見て「出来ることをやろう」と決意。ある程度復旧のメドが付くまでは、ここにとどまるつもりだ。広島市東区の大学准教授の米国人女性(45)は「仕事で言葉のサポートを受けている。掃除でもなんでもいいから手伝いたい」と話した。
≪「一緒に行っていれば」 救助に向かった夫戻らず≫
豪雨の中、妻に「危ないから来るな」と言い残して自宅を出た夫は、生きて戻らなかった。広島市の土砂災害で安佐北区の坂原昭夫さん(83)は増水した川に流され、約17キロ下流で遺体が発見された。8月23日に身元が判明。妻、鈴子さん(77)は「ついて行けば助けられたかも」と悔やむ。
「川があふれて大変なことになっている。助けて」。雨が激しさを増していた(8月)20日午前3時ごろ、寝静まっていた坂原さん宅を近くの住民が訪ねてきた。救助に行こうとする坂原さんは鈴子さんに「危ないから家にいるように」と言い、停電で真っ暗な外に飛び出していった。