市は難航する捜索に役立てるため、行方不明者の氏名や住所を公表。県警に相談ダイヤルを設けているが、不明者の無事が確認されたとの情報は寄せられていない。
市災害対策本部によると、住宅被害は(8月)26日現在、全壊25戸、半壊39戸。しかし、救出活動が優先されて立ち入れない地域が多く、人手も足りないため、被害状況の確認が遅れている。実態はより深刻とみられる。
市は避難生活の長期化を見据え、公営住宅などを無償提供するほか、仮設住宅の建設準備も進めている。
松井一実市長(61)は(8月)26日の記者会見で、避難勧告が土砂災害の発生後になったことについて「避難勧告が早ければ被害が小さくなった可能性がある」と述べた。
≪泥の中 家族や友の「思い出」捜して≫
広島市の土砂災害で、肉親を失った人や行方不明者の家族が、土砂やがれきをかき分け、思い出の品を捜している。古い写真やぬいぐるみ、仕事の足跡を示す名刺入れ…。災害は8月27日で発生から1週間。現実を受け止め、前を向く人。悲しみに立ちすくむ人。それぞれの思いが交錯している。