割れた窓からぬいぐるみ
同じ八木3丁目のアパート1棟が丸ごと流失した現場。行方不明になった母娘の手がかりを求めて、土砂を掘り出す若い男性がいた。娘の20代女性と男性の妻が親友だという。「もし助からなかったら、妻は耐えられないだろう」と表情を曇らせる。
土砂災害の当日、妻と2人で現場に向かったが、近づけなかった。「厳しいかもしれない」と思うが、妻はまだ現実を受け止められていない。捜索が進み、女性の車がある場所にもようやく行けるようになった。割れた窓から、女性が大切にしていた動物のぬいぐるみを拾い上げた。「動物と子供が大好きな優しい子だった」。ゆかりの品は女性の家族に渡したいという。(SANKEI EXPRESS)