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帰郷めど立たず 「心が折れそう」 あす震災から3年半 (1/5ページ)

2014.9.10 11:10

福島県田村市都路町では、除染作業で出た廃棄物の袋が道路脇に山積みになっていた=2014年9月8日(宮崎裕士撮影)

福島県田村市都路町では、除染作業で出た廃棄物の袋が道路脇に山積みになっていた=2014年9月8日(宮崎裕士撮影)【拡大】

  • 国直轄の除染特別地域と宅地の除染完了率=2014年9月9日現在、福島県

 東日本大震災から11日で3年半を迎える。東京電力福島第1原発事故で避難生活を強いられている周辺の住民は約13万人に上る。進まぬ除染作業に帰還のめどは見えず、住民らは「選択」を迫られている。

 進まぬ除染作業

 福島県大熊町小入野(こいりの)地区の自宅は、同居する義母(88)が植えた色とりどりの花に囲まれ、家族の笑い声が絶えなかった。周囲には先祖から受け継いだ田畑や山林があり、ずっと守り続けてきた墓もあった。

 ここに、除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設ができる。悔しさ、悲しみ…。会津若松市の仮設住宅に身を寄せる根本充春(みつはる)さん(74)は、思い出が詰まる故郷が廃棄物で埋め尽くされるのを思い浮かべ、さまざまな感情を抱く。

 ただ、県が8月末に表明した施設の受け入れは、冷静に受け止めた。自宅は屋根の一部が抜け落ち、雨水にさらされて無残な姿に。とても、帰れる状況にはないからだ。8月3日に一時帰宅した際に放射線量を計測すると、毎時18マイクロシーベルト。今も国が避難指示解除の最低条件とする年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)を大幅に上回っている。

46歳男性 ひと足先に「帰らない」選択

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