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シェイクスピアの悲劇こそ本当に恐ろしい 4大悲劇を知らないでジンセーを語ってほしくない 松岡正剛 (2/5ページ)

2014.11.4 15:50

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 どこが恐ろしいのか。『ハムレット』は「誤殺」が恐ろしい。父を殺し母が再婚したクローディアスを暗殺しようとして、狂気を装うほどの策略を練ったのに、ポローニアスを誤って殺す。これを知ったオフィーリアは狂って溺死する。『オセロ』は「嫉妬と奸計」が怖い。イアーゴの計らいのまま妻のデズデモーナを殺して自殺する。その破局にいたったオセロの悲しみには身震いさせられる。

 『リア王』は「世界の裂け目」を描いた物語の最深部が恐ろしい。両目を抉られたグロスターが荒野をさまようリア王と再会する場面、リアが娘のコーディリアの遺体を抱いて悲嘆に絶叫する場面は、あまりに深すぎる。『マクベス』は王とマクベス夫人に宿ったまま立ち去らない「森の狂気」がただならない。まことしやかな予言や忠告にはゆめゆめ耳を貸さないことだと思い知らされる。

 4大悲劇いずれの舞台でも、主だった登場人物たちがことごとく変死や自死を遂げるというのは、よほどの異常である。それなのに、ここには悪人や犯罪者は出てこない。誰もがちょっとした利得と錯覚から悲劇の奈落にまっさかさまに堕ちていく。こんな救いようのない悲劇、古代ギリシアのソフォクレスの『オイディプス王』以来だった。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」

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