【KEY BOOK】「オセロー」(シェイクスピア著、福田恒存訳/新潮文庫、464円)
ヴェネチアの貴族たちを背景にして、猜疑の交錯を描いた心理劇だ。だから男女の心理の違いがしきりに交わされる。「男たちはみんな胃袋。女はその食べもの」「教えてあげましょうか。私たちが悪いことをするのは、みんな男のすることを見ておぼえたのですよ」。悲劇は一枚の「デズデモーナのハンカチ」から発端する。イアーゴの奸計ではあるが、読者も観客もそのイアーゴの罪も正体も追いきれない。それが悲劇なのだ。
【KEY BOOK】「リア王」(シェイクスピア著、福田恒存訳/新潮文庫、464円)
高齢のブリテン王リアは、自国を3人の娘に分与することにした。長女と次女は甘言を弄するが、末のコーディリアは直言をする。怒ったリアは長女たちに国を与え、末娘を追放するのだが、やがて自分が追放される憂き目にあう。「われわれが生まれ落ちたとき、この阿呆どもの舞台にいたことに泣き叫ぶのだ」は、裏切られたことを知ったリアの言葉だ。王は荒野をさまよいコーディリアの遺体を抱えて「光はどこか」と叫んで、絶命する。