自民、民主両党の衆院小選挙区得票数と実質経済成長率=2000年6月~2014年12月。※歴代政権の成長率は2012年12月までの場合、選挙月となった四半期までの1年9カ月間の対前同期間比伸び率【拡大】
海江田万里(かいえだ・ばんり)民主党代表の基本的論点は「アベノミクスの失敗」である。2度にわたる異次元金融緩和がもたらす円安は物価の上昇を招き、所得格差を生み、生活者や中小企業を苦しめていると批判した。
確かに、アベノミクスがまんべんなく国内にその恩恵が行き渡っているわけではない。しかし、まずは全体として経済のパイを大きくし、企業の収益を増やし、あとは賃上げなどで継続的に分配を増やす方法は、経済理論の面でも国際的に高い評価を受けている。
民主党政権は超円高・デフレを放置して企業の国際競争力を失わせ、雇用機会を喪失し、家計消費を萎縮させ、税収を減らしてきた。海江田氏は異次元緩和に代わる「柔軟な金融政策」を提起したが、その言葉の響きは白川方明(まさあき)総裁当時の日銀の小出し緩和によるデフレ容認策そのものである。
菅直人(かん・なおと)、野田佳彦両氏は首相当時、財務官僚にすっかり洗脳されてしまい、「消費税増税すれば景気はむしろよくなる」と信じていた。野田前首相は自公両党を巻き込んで消費税増税法案を通したが、増税の結果は景気の急激な落ち込みだ。すると、海江田民主党はさっさと「再増税の環境にない」と延期に回る始末で、アベノミクスに対抗する気概がまるで感じられない。