維新の党の江田憲司共同代表は脱デフレによる税収増と思い切った公共事業や公務員給与のカットなどによる歳出削減の必要性を強調した。その維新が今総選挙で「民主党と連携はしないが、自然に棲み分ける」(江田氏)とは、少々聞き苦しい。
日本共産党の志位(しい)和夫委員長は安倍首相に「1997年度に続いて2度も消費税増税で経済政策を失敗したと素直に認めるべきだ」と安倍首相に迫ったのには、興味が湧いた。筆者は志位氏とは基本的に考え方は違うが、この点に限っては、同感だ。安倍氏は例によってポーカーフェースで「今年1~9月でみれば経済はまだ成長している」といなしたが、内心は少し苦しかっただろう。首相は周りで消費税増税を勧めた財務官僚や財務省ご用学者、エコノミストに不信感を持っているとも聞く。
建設的な景気回復策議論を
再増税を2017年4月まで先送りにしても、消費税率8%という巨大な重荷はついて回る。13年初めのアベノミクス開始以来増え続けてきた実質GDPは、今年7~9月期で前年より5.7兆円減った。年2%台の実質経済成長率を維持していれば、16兆円以上増えていたはずなのに逆ブレしてしまったわけだ。このままだと今年度の実質経済成長率はマイナスに舞い戻る。