ぼくは映像版のほうはまだ一部しか見ていないのだが、早川書房が送ってきた3冊本は届くたび、ページの奥から何が飛び出てくるか、虚像アメリカからどんなヴェールが何枚引っ剥がされるのか、興味津々で読んだ。著者らの結論は、こうだ。(1)アメリカは過ちを犯した。(2)アメリカは自らの使命に背いた。(3)アメリカの時代は終わるだろう。
異様な奢りは、すでに「アメリカは世界の誇り高い例外である」(マニフェスト・デスティニー)と自負したモンロー時代、ハワイ・フィリピンを獲得し、パナマ・キューバ・メキシコ・ニカラグアなどの権益を40パーセントほど分捕りおわったセオドア・ルーズベルト時代に始まっている。しかし、それが醜悪なほどの過剰な自信になっていったのは、日本に原爆を投下して地球上最初の核兵器の保有者となり、その対抗者として名乗りをあげたソ連との冷戦を徹底的に勝ち抜いてからのことだった。
それでも訂正する機会はあったはずだが、歪曲だらけのベトナム戦争後、国連加盟国190カ国のうちの132カ国に米軍を駐留させるとともに、ネオコンたちとウォール街を駆動させて、軍事とカネと国益をつなぐ「驚くべきアメリカ方程式」を確立してしまうと、もう後戻りができなくなっていた。そこへ9・11やリーマンショックが待ってましたとばかりに襲いかかってきた。