【KEY BOOK】「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史3」(金子浩・柴田裕之・夏目大訳(早川書房)2376円
第3巻は「帝国の緩やかな黄昏」。レーガノミクスとネオコンによる新自由主義を掲げたアメリカは、史上最低の親子大統領の登場によって、ついに大過信と大過誤による戦争犯罪国に堕ちていく。ここではあれほど日米構造協議でいじめられたにもかかわらず、日本経済がひどく憧れ、なんとか模倣しようとしたアメリカの病理的な実態が、9・11とリーマンショックに向かって否応なく雪崩をおこしていく日々を如実に語る。ストーンは最初はオバマに期待をよせたらしいのだが、それがみるみるうちに裏切られていったことも、正直に語っている。問題は日本がアメリカの虚像力を語ろうとしないことなのである。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)