36歳というと、普通の選手であれば、けがが増え、世代交代も頭をちらつく時期。同世代の女性では結婚、出産を経験している人も多い。
「子供が欲しいという話もしていた」。こう明かすのは、澤選手を中学時代から指導し、現在も親交がある、Jリーグ、東京ヴェルディのゼネラルマネジャー竹本一彦さん(59)。「選手にとっては、結婚や子供について考えることもストレス要因になりうる。それを乗り越えてW杯の舞台に立っている」と精神的強さの一面を解説する。
澤選手は今大会期間中、国際サッカー連盟(FIFA)のインタビューに「私の最後のW杯になると思う」と明かした。「大事な場面で点を取るはず。そうやって彼女は『澤ストーリー』を作ってきた」。竹本さんは、活躍を確信している。
≪佐々木監督、際立つ人心掌握術≫
決勝進出を決めたなでしこジャパン。選手たちとの間に敷居を作らず、きめ細かな気配りをする佐々木則夫監督(57)が躍進を支える。