戦列を離れた選手への気配りも。佐々木監督は12年ロンドン五輪前年、負傷したFW丸山桂里奈(かりな、大阪高槻)の見舞いに、クマのぬいぐるみを持参した。今大会1次リーグ初戦で負傷して帰国したFW安藤にもクマのぬいぐるみを贈った。安藤の親友でもある丸山がブログで明かしている。
選手が女性であることへの配慮も忘れない。なでしこジャパンのコーチに就任した06年、妻の淳子さん、一人娘の千尋さんから「女の子は身だしなみをみている。鼻毛やお肌に気をつけて頑張ってね」と励まされた。いまでも身だしなみに細心の注意を払う。テレビのバラエティー番組チェックも欠かさず「間もなく60歳。流行へのアンテナを張っている」。
「女性からみると、清潔感や親しみやすさは大切」と大谷さん。10年にわたってなでしこを見守ってきた「父」は、決勝でも「娘たち」を温かく見守る。(榊輝朗、吉原知也/SANKEI EXPRESS)