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遠藤湖舟写真展「天空の美、地上の美。」 一瞬の「ゆらぎ」 切り取る (3/4ページ)

2015.8.4 13:00

代表作の「ゆらぎ」シリーズの写真をアクリルボードにプリントして作ったゆらぎゲートで、ゆらぎの魅力を語る写真家の遠藤湖舟(こしゅう)さん=2015年7月29日、神奈川県横浜市西区の横浜高島屋(田中幸美撮影)

代表作の「ゆらぎ」シリーズの写真をアクリルボードにプリントして作ったゆらぎゲートで、ゆらぎの魅力を語る写真家の遠藤湖舟(こしゅう)さん=2015年7月29日、神奈川県横浜市西区の横浜高島屋(田中幸美撮影)【拡大】

  • 「YURAGI」。枯れ始めたモミジが、桜貝を思わせる美しい薄桃色に映っていた=2014年12月、自宅近く(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO
  • 「YURAGI_波光」。日の出直後に通りかかった川崎の運河で、対岸の建物が水面に映る様子を撮影。ゆらぎの可能性を探るきっかけとなった作品=2007年1月、神奈川県川崎市(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO
  • 「天空の色彩」。前線が通過した後は雲が流れて空が美しいことたわかっていたので、この日も期待して多摩川河川敷へ赴くと、西の空の低いところに5色の美しい空を見付けシャッターを切った。5色の空にはそれ以来出合っていない=2004年8月、自宅近くの多摩川で撮影(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO
  • 「YURAGI」。白い壁をつたうように垂れた薄紫色の花と空が織りなした印象派の絵画のような色彩の作品=2013年10月、自宅近くで(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO
  • 「YURAGI」。紅葉のオレンジと枯れてきた葉の色が家の壁と合わさった。自身が好きな作品=2010年12月、自宅近くで(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO
  • 「皆既光跡」。皆既月食を撮影中に前をジェット機が横切ったのを撮影。ジェット機の尾翼に点いているライトが線になり、パッシングするように光っているライトが点となって写った。月を横切るものは邪魔者扱いされるが、必ずしもそうではない=北海道の千歳空港近く(遠藤湖舟さん撮影)。(C)Koshu_ENDO

 あてもなく上京し、家庭教師のアルバイトなどで生計を立てた。そんな遠藤さんが明確に写真を目指す決心をしたのは29歳のときだ。商業用写真を扱う写真スタジオで働き始め、ライティングなどの撮影技術を独学でマスター。いっさいを任せられるようになっていた。

 そんなある日、日本画家の巨匠、川合玉堂(かわい・ぎょくどう)の作品約1500点を撮影するという大きな仕事の依頼を受ける。全国の美術館や旧家に残る作品を3年の歳月をかけて、丁寧に撮影。1983年のこの仕事が写真家としての第一歩となった。90年にはコマーシャルフォトやパンフレット撮影を手がけるグラフィックデザインの会社を設立。91年には日本コロムビアと共同で美術作品の画像をデータベース化する仕事も手がけた。

 また、本業のかたわら再び天文写真を撮りたい衝動にかられ98年、富士山麓でのしし座流星群の撮影を皮切りに、仕事の合間を見つけては野辺山高原(長野県)や銚子海岸(千葉県)などに足を運んだ。2004年には、千葉県で撮影したブラッドフィールド彗星(すいせい)の写真をネット上で公開すると大きな話題となり、天文雑誌の表紙を飾るなどして、天文愛好家の間では知られた存在になった。

ガイド:遠藤湖舟写真展「天空の美、地上の美。」

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