代表作の「ゆらぎ」シリーズの写真をアクリルボードにプリントして作ったゆらぎゲートで、ゆらぎの魅力を語る写真家の遠藤湖舟(こしゅう)さん=2015年7月29日、神奈川県横浜市西区の横浜高島屋(田中幸美撮影)【拡大】
そんなある日、明け方まで星を撮影した帰り道、川崎の運河にさしかかって何げなく水面に目をやった。車を止めてよく見つめると、対岸の建物が水面に映り、まったく別の世界を醸し出していた。それまでも葉山の海など決まった場所でゆらぎを撮影していたが、このとき初めて「いろいろな場所でゆらぎを撮ってその可能性を見つけてみたくなった」という。それ以降は自宅近くの多摩川や横浜の海などあらゆる場所でゆらぎを発見しては切り取る。
遠藤さんは、ゆらぎの魅力について「CGの波とは違い、自然の動きなので心がスカッと受け入れることができる」と話す。そして、「見つめましょう。そこに美が出てきます」と日常におけるゆらぎの観察を薦める。(文:田中幸美(さちみ)/撮影:写真家 遠藤湖舟(こしゅう)/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■遠藤湖舟写真展「天空の美、地上の美。」 8月10日(月)まで、横浜市西区南幸1の6の31の横浜高島屋。一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。問い合わせは(電)045・311・5111。