≪30年続くパターン いまだ特効薬見えず≫
負けるはずのない北朝鮮に逆転負け。一体、何が起きたのか。構図は単純、簡単である。
試合開始早々、右サイドに入った遠藤航(湘南)のアーリークロスに2列目からニアサイドに駆け込んだ武藤雄樹(浦和)が合わせて前半3分の先取点。誰もが楽勝、大勝を予想した。
ここからいつもの決定力不足だ。トップに張った川又堅碁(かわまた・けんご、名古屋)はゴール正面でフリーになりながら得意の左足に持ち替えてGK正面。宇佐美貴史(G大阪)は左45度からカットインで右隅を狙う得意の形がGKに阻まれ、永井謙佑(けんすけ、名古屋)もフリーでパスを受けながらトラップしてGKとDFに間合いを詰められた。
こうした展開がまず守備陣をいらいらさせる。
北朝鮮の攻撃は、開き直ったようにシンプルだった。自陣に誘い込んでボールを奪取し、前線にアバウトに蹴り込む。日本のセンターバック、森重真人(まさと、FC東京)、槙野智章(ともあき、浦和)もよく競り勝ち続けたが、酷暑の武漢でいつまでも緊張は続かない。