台風15号による強風で倒れたガソリンスタンドの洗車場の屋根。九州北部を縦断し各地に大きな被害をもたらした=2015年8月25日、熊本県天草市(共同)【拡大】
効果を発揮させるには
9月1日は防災の日。自然災害については、大きな被害が出るたびに「危機管理の強化」とか「災害に強い街作り」などが言われるが、日本の防災と減災の実態を知るメディア情報学者としては心配になる。
戦争の記録では必ず、住民が空襲警報で防空壕に飛び込んだ話が紹介されるが、この「警報」をキーワードに、問題点をいくつか挙げて検証したい。戦争時の警報は米軍による空襲から逃げるためのものだったが、現在の私たちにとっての警報は台風や地震などの自然災害に備えるためのものだ。
先月、大型の台風15号は沖縄県の石垣島で最大瞬間風速71メートルを記録し、その後、九州北部を縦断して日本海に抜け、大きな被害をもたらした。住民が体験的に災害対応について習熟している沖縄の方が、本州よりも総じて被害が小さい傾向にある。
愛知県生まれの筆者は、1959年9月に死者・行方不明者約5000人を出した伊勢湾台風を体験した。95年の阪神・淡路大震災、そして2011年の東日本大震災にはメディア情報学者として深くかかわった。