「原題『Allacciate_le_cinture』は『シートベルトをお締めください』の意味です。人生で遭遇する乱気流に備えてほしいという気持ちを込めました」と語るフェルザン・オズペテク監督=2015年5月1日、東京都中央区(高橋天地撮影)【拡大】
自分と向き合う
9月からは、故郷イスタンブールで新作「赤いイスタンブール」の撮影に入っており、真正面から自分のルーツと向き合うことになった。原作はオズペテク監督が執筆した自伝小説で、異国で成功を収めた映画監督が故郷に帰って周囲に幼少期の思い出を語るといった内容だ。「この作品だけではありません。自分の作品には何かしら自分が体験し考えたことを挿入しています」。もちろん、過ぎ去ってしまった過去をただ懐かしんだり、嘆いたりと感傷に浸るだけではない。よき未来へと導いてくれるであろう青春時代の忘れ物を探しに行くというのが、彼流のアプローチのようだ。9月19日から東京・シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)