≪「チェルノブイリの祈り」の作家に文学賞≫
スウェーデン・アカデミーは8日、2015年のノーベル文学賞を、チェルノブイリ原発事故で被害を受けた人々の証言を集めたノンフィクション作品「チェルノブイリの祈り」などで知られるベラルーシの作家でジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチさん(67)に授与すると発表した。
授賞理由でアカデミーは、アレクシエービッチさんの作品について「苦しみと勇気の記念碑」だとたたえた。大手ブックメーカー(賭け屋)による予想で上位だった村上春樹さん(66)は受賞を逃した。
アレクシエービッチさんは、新聞や文芸誌の記者を経て、第二次大戦で従軍したソ連の女性たちの証言を集めた「戦争は女の顔をしていない」(1985年)で作家デビュー。多くの人々への取材を積み重ね、証言の集積をそのまま作品化し、社会の深層を描いてきた。