「TOOTH FAIRYプロジェクト」に参加する歯科医師が携わる活動は、金属のリサイクルによる寄付にとどまらない。専門的な技能集団によるチャリティーという利点を生かし、口腔(こうこう)内に問題を抱えがちな難病や障害のある日本の子供たちに加え、ミャンマーの無歯科医村で暮らす子供たちを対象に、口腔ケア指導をボランティアで行っている。
例えば、合併症の一つとして歯周病リスクが高いといわれる小児(1型)糖尿病の子供たちが参加する国内の療育キャンプに歯科医師が参加し、歯みがき指導などを実施。また、ミャンマーでは貧困のため家族で1本の歯ブラシを共同で使う環境にあるため、村に生えている細い竹を歯ブラシ代わりに使う工夫を指導するなど、病状や環境に応じたケアを伝えている。
寄付と歯科技術を組み合わせたTOOTH FAIRYプロジェクトの15年度の支援規模は約2億円に上る。一つの職種で、これだけの規模のチャリティーを行う事例は珍しく、歯科医師によるこうした社会貢献は高い評価を得ている。