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「大衆メディア」の足跡 多角的に迫る 「江戸からたどる大マンガ史展~鳥羽絵・ポンチ・漫画~」 (3/6ページ)

2015.11.25 16:00

「鳥羽絵欠び留」(竹原春潮斎)。「手足が長く、眼は黒丸か『一』文字式に簡略され、描線もきわめて簡潔でリズム感を持っている」と鳥羽絵スタイルについて清水勲さんは語る(提供写真)

「鳥羽絵欠び留」(竹原春潮斎)。「手足が長く、眼は黒丸か『一』文字式に簡略され、描線もきわめて簡潔でリズム感を持っている」と鳥羽絵スタイルについて清水勲さんは語る(提供写真)【拡大】

  • 「源頼光公館土蜘作妖怪図」(みなもとらいこうこう_やかたつちぐも_ようかいをなすず)歌川国芳(提供写真)
  • 「浮世ハ夢だ夢だ」(筆者不詳)。ふとんに寝そべる男の吹き出しの中には都合の良い妄想が描かれている(提供写真)
  • 「絵新聞日本地」など貴重な明治期の雑誌も多量に展示(提供写真)
  • 展示風景、11月28日は木版画ワークショップもある=2015年11月14日、京都市中京区(提供写真)

 当時は、版行の際、町奉行の検閲を受けなければならなかったが、絵師は役人たちにわからないように風刺性をぼかしていた。後に幕府批判であることがばれて発禁処分になる作もたびたびあったようだ。そうした風刺を読み解くことも庶民の楽しみだったはずだ。

 また、多数の戯画が商品として出回ることで、表現方法も多彩になった。「吹き出し」や、動きや光を線で表現するような効果線など、現在のマンガにも通じるような表現方法が、この時代の戯画からも見ることができる。巧みな表現は話題になるだろうし、そうした反響を受けて、他の絵師たちも模倣したはずだ。繰り返し描かれ、売られることにより、読者もそうした表現の意味を自然と理解できるようになったのではないだろうか。

 本展では、こうした江戸戯画をさまざまな側面から前期後期合わせて150点展示している。

 一般の美術館の浮世絵展では展示されないような作品もたくさんあるはずだ。

風刺画雑誌の登場

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