過労自殺訴訟の和解を受けた記者会見で、うつむく自殺した森美菜さんの母、祐子さん(左)と父、豪さん=2015年12月8日午後、厚労省(共同)【拡大】
減らぬ「使い捨て」
若者の雇用問題に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表は今回の和解を「他企業や社会への教訓となる」とした上で「過労の問題は全然減らない。『ワタミはたまたま貧乏くじを引いた』とあぐらをかいている経営者もいるのでは」と警戒を緩めない。
森さんの過労自殺は、若者を使い捨てにする「ブラック企業」や「過労死・過労自殺」問題への社会の関心を高め、政府も対策に乗り出した。
14年11月には過労死等防止対策推進法が施行。対策を「国の責務」と明示し、国や自治体は過労死や過重労働の調査などに取り組むとした内容だ。今年7月に閣議決定した大綱では、過労死ゼロの目標も掲げた。厚生労働省は13年8月に「若者の『使い捨て』が疑われる企業への取り組み強化」をうたい、重点監督月間をつくった。今年4月には、過重労働の監督指導に専従する特別対策班を東京と大阪の労働局に設置した。