関西電力高浜原発の(手前から)3号機、4号機=2014年11月、福井県大飯郡高浜町(共同)【拡大】
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた4月の仮処分決定について、福井地裁(林潤裁判長)は24日、関電の異議を認め、決定を取り消した。差し止めの効力は失われたため、関電は25日に3号機の燃料装荷を始めることを決めた。来年1月下旬の再稼働を目指しており、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)1、2号機に次ぐ全国2番目の再稼働になる見通し。
林裁判長は原子力規制委員会が作成した原発の新規制基準を「合理的で、安全性に欠ける点があるとはいえない」と判断。高浜の2基の審査で合格とした規制委の判断を支持した。設備の耐震安全性や基準地震動(想定される最大の揺れ)についても規制委の評価は適切と認定した。
一方で、「過酷事故の可能性が全く否定されるものではない」として、政府や電力会社に実効性がある対策を求めた。
福井地裁の樋口英明裁判長(当時)は4月14日、新基準を否定し、高浜の運転禁止を決定。関電側が「事実誤認がある」として決定の取り消しを求め異議を申し立てていた。