馳浩(はせ・ひろし)文科相(右)に勧告書を手渡す原子力規制委員会の田中俊一(しゅんいち)委員長=2015年11月13日午後、東京都千代田区霞が関の文科省(三尾郁恵撮影)【拡大】
原子力規制委員会は13日、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の運営主体である日本原子力研究開発機構について「運転を安全に行う主体として必要な資質を有していない」と厳しく指摘し、別の運営主体を見つけるよう馳浩(はせ・ひろし)文部科学相(54)に勧告した。文科省に設置する検討会で議論し半年後に勧告に対する回答を報告する。
菅氏「不退転の決意」
もんじゅを含む核燃料サイクル政策の推進を掲げる政府は政策見直しを含め、政治判断を迫られることになった。
もんじゅはこれまで1兆円もの国費が投じられた国の核燃料サイクル政策の中核施設だが、1995年のナトリウム漏れ事故以降、運転実績はほぼなく、老朽化が進んでいる。新たな運営主体を見つけられなければ廃炉を含めた抜本対策を求められる。
勧告は規制委設置法に基づき、規制委発足後初めて。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は13日の記者会見で「重く受け止めるべきだ。国民の信頼を得る最後の機会であり、不退転の決意でこの勧告に対応する」と述べた。