馳浩(はせ・ひろし)文科相(右)に勧告書を手渡す原子力規制委員会の田中俊一(しゅんいち)委員長=2015年11月13日午後、東京都千代田区霞が関の文科省(三尾郁恵撮影)【拡大】
規制委は13日の定例会合で勧告を正式に決定。その後、田中俊一(しゅんいち)委員長(70)が文科省を訪れ、馳文科相に勧告書を手渡し「大変重い課題だが、検討してほしい」と要請。馳文科相は「重く受け止める。前面に立って対応する」と述べた。
事務方を一喝
文科省は当初、「日程が合わない」とする事務方の意向で文科相と田中委員長の直接面会を拒否していたが、13日早朝にその事実を知った馳文科相が「これ以上重要な日程はあるのか」と事務方を一喝。「真っ青になった」(馳氏)事務方は急遽(きゅうきょ)、大臣のスケジュールを調整して一転、面会を決めた。
勧告では、もんじゅはナトリウム漏れ事故以降、安全管理体制の再構築に向けた対策が取られてきたものの成果を挙げていないとし、原子炉を起動しない段階で管理ミスが続いている原子力機構では安全に運転できるとは考えられないと厳しく指摘した。