関西電力高浜原発の(手前から)3号機、4号機=2014年11月、福井県大飯郡高浜町(共同)【拡大】
住民側は24日、決定を不服として、名古屋高裁金沢支部への保全抗告を申し立てる方針を明らかにした。
林裁判長は24日、住民らが申し立てた関電大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め仮処分についても「再稼働は差し迫っていない」と指摘し、住民の主張を却下した。
≪異質だった「新基準否定」≫
差し止め命令が覆ったことで、高浜原発は再稼働に向けて大きく前進した。4月の決定では「世界最高水準」と誇っていた新規制基準そのものを否定されたため、全国の原発への波及が懸念されていた。そもそも4月の決定は明らかな間違いが随所に見られ、原発の基礎的知識も欠いた異質なものだった。
「われわれの規制や審査が正しいと思ってやってきた。裁判所の決定にかかわらず、法令に従ってやるだけだ」。原子力規制庁の幹部は安堵(あんど)した表情でこう語った。